花粉症

2016/03/17
札幌も 2 日連続で気温 10 度を超え,
春だねという感じです.

さて,みんなの家庭の医学で,
初期症状に気づくべきアレルギー疾患,第一位になっていたのは,
「花粉症」でした.

よく,「花粉症=アレルギー性鼻炎ですか?」と聞かれます.

 花粉症 → アレルギー性鼻炎  ですが,
 アレルギー性鼻炎 → 花粉症  とは限りません.

なぜかというと,ダニやほこりなど,花粉以外が原因のアレルギー性鼻炎があるからです.

 ダニやほこりのアレルギー性鼻炎 を 通年性アレルギー性鼻炎
 花粉によるアレルギー性鼻炎   を 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)

と言います.

全国的には,スギ花粉症が問題になっていますが,
スギ花粉が飛ばない札幌で問題になるのは,
通年性アレルギー性鼻炎とスギ以外の花粉症です.

北海道の花粉症で最も重要なものは,シラカバ花粉症です.
4 月 2-3 週目くらいから飛び始め,
ゴールデンウィークあたりにピークとなり,
5 月いっぱいくらいまで症状が出ます.
現在,花粉症には初期療法といって,
花粉が飛ぶ前から薬を使うべきと言われており,
4 月 1-2 週目くらいから薬を使ってもらうことが多いです.

また,シラカバ花粉症患者さんの半分くらいに,
果物アレルギーが出ます(口腔アレルギー症候群).
 りんご,サクランボ,モモ,メロン,なし,キウイ
などを食べると,口の中がピリピリしたり,痒くなったり,腫れたりします.

シラカバと同じカバノキ属の樹木に,ハンノキがあります.
シラカバに比べて花粉の量が少ないため,
それほど注目されていませんが,
シラカバ花粉症の患者さんは,ハンノキ花粉にも反応する可能性が高いです.

ハンノキ花粉は 3 月から飛んでいます.
今年は 2 月下旬にも飛んでいたようです.

つまり...

シラカバ花粉症で毎年 4 月になったら薬を飲みましょうねと言われている患者さんで,
3 月くらいから,鼻水,くしゃみ,目のかゆみなどの症状が出ている場合,
ハンノキに反応している可能性が高いので,
もっと早くから薬を使っておいた方が良い場合があるのです.

手稲クローバー耳鼻咽喉科でも,
ここ 1-2 週,ハンノキ花粉症と思われる患者さんが来院されており,
治療を開始しています.

道立衛生研究所のホームページには,
花粉情報が記載されていますので,参考にして下さい.
(http://www.iph.pref.hokkaido.jp/pollen/sapporo/sapporo.htm)

今回の記事を読んで,もしかして自分も・・・?
と思われた患者さんは,一度受診してみて下さい.



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