2024.12 月,最後の 2-3 週は,発熱患者さんが多かったです.
その中で,インフルエンザに関する みなし陽性と予防投与について,
簡単にお話致しましょう.
① インフルエンザみなし陽性
そもそも〈みなし陽性〉という言葉ですが,何なのでしょう?
医学用語じゃないと僕は思っていますが,
コロナが出てきて,使われるようになった(出現した)用語でしょう.
要は,抗原検査や PCR などで〈陽性〉という証拠はないが,
状況などから,医者が「陽性とみなすこと」と,僕は解釈しています.
例えば,数日前にインフルエンザと診断されて,療養中の人がいて,
その同居の家族に,高熱,頭痛,倦怠感,関節痛の症状が出てきた.
病院に行ったけど,抗原検査では陰性.
インフルエンザの場合,発症して 24 時間以内は,
抗原検査の感度が低いと言われています(偽陰性).
(本当はインフルエンザなのに,検査しても陽性にならないことがある)
さて,検査で陰性だから,インフルエンザじゃないと言えるでしょうか?
(そもそも,○○じゃないことを説明するのは,一般になかなか難しいですよね)
診察をして,高熱,頭痛,倦怠感などの症状を説明するような所見がなければ,
「検査では陰性だけど,状況からインフルエンザですね」
と診断することができます.これが,世間でいう〈みなし陽性〉です.
症状があって,医者がインフルエンザと診断したわけですから,
保険診療でインフルエンザの治療をすることができます.
② インフルエンザ治療薬の予防投与
家族にインフルエンザの人がいて,
まだ自分には症状がないけど,うつりたくないから,
今のうちに,抗インフルエンザ薬を使いたい.
これが〈予防投与〉です.
ただ,その人には症状がなくて,あくまで予防投与ですから,
これは保険診療ではなく,自由診療(自費)となります.
似ているようで,大きく違います.
何かの参考にしてください.
院長 関 伸彦