この 1 週間,当院で「ヒカキン」というワードを何回も聞いた.
「ヒカキンさんと同じ症状なんです」と患者さんが言う.
人気 YouTuber のヒカキンが,
好酸球性鼻副鼻腔炎と診断され,手術を受けたとのこと.
先週,そんなニュースが流れていた.
好酸球性鼻副鼻腔炎は,僕が札幌医大に在籍中,
その診断基準を作る厚労省研究班の一員であったため,
当院のウェブページでも紹介してきた.
https://teineclover.com/chikunoushou/
「再現ドラマ風の動画が出ているので見てください」と言われ,
早速チェックしてみた.流石の完成度だった.
(それが仕事だから当たり前かもしれないが)
鼻の手術といえば,2023 年 2 月,当時の岸田総理が,
日帰りで鼻の手術を受けたと報道された.
その後,[sóuri] と言って受診した人は記憶にある限り一人.
しかし今回は,毎日のように [hikakin] と言ってくる.
日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会も,その会員である我々も,
それなりに〈啓蒙活動〉を行っているが,
人気 YouTuber の足下にも及ばない.彼らの影響力はすごい.
この影響力を,上手に利用できないかな?とも思った.
ヒカキンさん,会ったことも,
今まで動画を見たこともないですが,
好酸球性鼻副鼻腔炎という病気の認知に繋がっているようです.
それを専門としている耳鼻科医として,感謝申し上げます.
一方で,誰でも情報を発信できる時代.
耳鼻科医でも,あるいは医者でもない人から
「ヒカキンがなった好酸球性鼻副鼻腔炎とは?」
みたいな記事もそのうち出てくるだろう.
簡単に情報が得られる大変便利な世の中だが,
その情報は正しいのか,信じて良いのかを,
それを見る人達が,慎重に吟味する必要があろう.
院長 関 伸彦