好酸球性副鼻腔炎

2016/02/27
2 月最終週は,とても寒い 1 週間でした.
道路もツルツルで,冬に戻った感じでしたね.

さて,お約束通り,みんなの家庭の医学で取り上げられていた内容にからめて,
当院から情報発信させて頂きます.

みんなの家庭の医学では,
わかりやすく「アレルギー性副鼻腔炎」となっていました.
医学用語では「好酸球性副鼻腔炎」と言います.

副鼻腔炎は俗にいう「蓄膿症」のことです.
ちくのうと言えば,青っぱなを想像すると思います.
副鼻腔炎には,この皆さんの想像する 青っぱなの蓄膿症 と,
近年増えている アレルギータイプの副鼻腔炎 があります.
このアレルギータイプの副鼻腔炎を,好酸球性副鼻腔炎と言います.

つまり,副鼻腔炎には2タイプあるというわけです.

しかも,困ったことに,アレルギータイプの副鼻腔炎は,
従来の青っぱな副鼻腔炎の治療法では治りません.

院長は札幌医大在職中,
厚生労働省の難治性疾患研究班(http://www.nanbyou.or.jp/entry/2043)として,
この好酸球性副鼻腔炎の研究をしていましたので,とても愛着のある病気です.
(病気に愛着なんておかしいですね・・・)

テレビでも放送されていましたが,
好酸球性副鼻腔炎では,早い段階からにおいが分からなくなったり(嗅覚障害),
喘息を合併されている方が多いなど,従来のちくのう症とは,症状などが違います.
(詳しくはここでは書き切れません)

治療法が違うのですから,
従来の慢性副鼻腔炎と,好酸球性副鼻腔炎を見分けることがとても大切です.

手稲クローバー耳鼻咽喉科では,

 1. 問診(患者さんから症状や既往歴などを伺う)
 2. 視診(鼻の中をみる)
 3. 鼻汁好酸球数(綿棒で鼻水をとって細胞を調べる)
 4. レントゲン(鼻のどこに炎症が起きているかをみる)
 5. 内視鏡検査(直径 2.6 mm の細いカメラで,鼻の奥を観察する)

などで,慎重に診断し,できるだけ早期に治療を開始するよう心がけています.

先日,ここ数年においを感じづらかったのに,
適切な治療を開始して,色んなにおいが分かるようになったという患者さんがおられ,
大変喜ばれていました.

嗅覚障害の場合は,全員が完全に治るわけではありませんが,
もしかすると・・・?と心当たりのある患者さんは,
どうぞお気軽にご相談ください.


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