耳の診察は主に鼓膜の観察になります.鼓膜は耳の穴の奥にある膜で,聞いたことがあるのではないでしょうか?鼓膜は耳鏡という器具を使って観察します.耳鏡は,耳の穴に入る筒と,奥を照らすライトが合わさったような器具で,痛いものではありません.通常の耳鏡でよく見えない場合は,診察ベッドに横になってもらい,手術用顕微鏡で拡大して診察します.普通の耳鏡に比べると,かなり詳しく見ることが出来ます.
鼻の診察は,鼻の穴の中を詳しく見る診察です.そのままでは鼻の中を見られないので,鼻鏡という器具で鼻の穴を少しだけ広げ,ライトで照らして鼻の中を見ます.手でライトを持つと処置が出来ないため,ヘッドライト(アウトドアで使うライトの強力なやつです)を付けて照らします.鼻の粘膜の状態や鼻水の性状を見ます.
のどの診察は,口を開けて中を見ます.舌や歯茎,頬の粘膜など口の中(口腔:こうくう)や,扁桃腺(口蓋扁桃)やのどの粘膜(咽頭:いんとう)を観察します.舌が邪魔して咽頭粘膜が見づらいと,舌圧子という器具で舌をおさえて見ますが,このときに「アー」と声を出すと見やすくなり,グッと舌を押されなくても済みます.